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STAP細胞の理論でがん転移・浸潤メカニズムが解明、という妄想

小保方さんの妄想と私の妄想がリンクした瞬間について

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例の各所で盛り上がりを見せているSTAP細胞論文。

Bidirectional developmental potential in reprogrammed... [Nature. 2014] - PubMed - NCBI

(リンク貼っても、そのうち削除される可能性大ですが)

この論文が発表された当初、これでがんの浸潤・転移メカニズムが説明できるのでは、と妄想していました。

少し前から、「がん微小環境」というのが転移・浸潤の機序を説明できるとして注目されています。がん微小環境とは、がん細胞とがん間質より作り出されています。がん間質は線維芽細胞、血管、マクロファージ、リンパ球および細胞外マトリックスから構成され、なかでも、が関連線維芽細胞が注目されています。癌細胞から産生されたPDGFTGF-βにより、がん関連繊維芽細胞が増殖し、様々なサイトカインや糖タンパクを分泌し、血管新生・癌細胞の増殖・浸潤などに作用するといわれていますが、この細胞は一体何の細胞由来なのかはっきりしていません。これまでには血管内皮細胞とか、平滑筋細胞などと報告されています。STAP細胞、つまりはストレスによって分化していた細胞が万能化する、という話が出てきたとき、がん関連線維芽細胞の由来がこれで説明できるのでは、と妄想したのです。

つまりは、がん細胞が何かのストレス (妄想なので具体的な候補はなし)によって万能化細胞となり、そして線維芽細胞に分化して転移・浸潤に関わる。このアイディア、実験で証明できればな~とか考えていたら、一連の騒動があっという間に起きました。

このエントリを投下する現在、ハーバードから論文を取り下げる必要が無いとのコメントが出たりしていますが、なんせコピペや剽窃がひどいため、どうせ取り下げでしょう。

しかしながら、小保方さんの (正確には理研、女子医、ハーバードの偉いおじさん方の)妄想、私は惹かれるものがあります。

 

是非、実験で再現して欲しいと個人的には思っています。

参考文献:

Shimoda, et al. : Carcinoma associated fibroblast are a rate-limiting determination for tumor progression. Semin Cell Developmental biology 2010. 21 : 19-25