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泌尿器日常診療まとめ・日々のted

da Vinci増えるのは良いけれど

da Vinci売れてますね。いわゆるロボット支援腹腔鏡下手術ですが、腹腔鏡手術と比較して手術時間、出血、断端陽性率、術後経過など差が無いのに侵襲性が低いということでバンバン売れてます。しかし、最近思うことは、今後泌尿器分野に入っていく若手医師は開腹手術を経験できるのか?ということです。

da Vinceの操作性の良さ・システムが優れているゆえの簡便さは認めます。手術時間としてのlearning curveは20例経験すればある程度のレベルに到達できるらしいですが、制癌(切除断端のコントロールを指標としてます)を考えた場合、80例が必要とのこと。意外と一人前になるまで時間かかりますね。

そもそも主執刀になるにはラパロ専門医が要件に入っているし、前立腺癌を引っかける件数がいくら増加しているとはいえ、どんどん開腹手術を経験する機会は少なくなるのではないでしょうか。団塊世代が手術に耐えられないような高齢者になれば、手術件数は自然と減少するでしょう。

実際にそういうデータは無いのですが、今現在ラパロ専門医を取得している医師と、これから入局する医師との間に、手術技能は大きな開きができそうな気がしてます。

若手泌尿器医師向けのトレーニングサイトの早急な整備が望まれます。